40代で結婚して「結婚は人生の墓場」ではないとわかった【パートナーのかたち#1】

2018.02.20

酸いも甘いも噛み分けた大人世代、40代。

人生でいろいろな経験をするなかで、楽しいことも、嬉しいことも、悲しいことも、切ないことも、たくさん味わってきた。ひとりでいる楽しさも、誰かと過ごす喜びも知っている――。

そんな40代の大人たちが、40代で結婚を決めたきっかけや大人世代になって結婚して良かったこと、お互いに対して思うことなど、詳しく聞いてみる本企画。

第1回は2009年に入籍した、内藤修央さん(52歳)、美和子さん(48歳)ご夫妻にお話を伺いました。娘の真那花ちゃん(4歳)も登場です。


■18年前に出会い、8年前に結婚。“ただのバンド仲間”から夫婦になるなんて

――おふたりが出会ったのはいつ頃だったんですか?

美和子さん(以下、美和子):結婚する10年前くらいですね。ふたりとも趣味で音楽をやってたんです。

修央さん(以下、修央):バンド仲間、って感じですね。音楽好きな社会人が集まって、それぞれバンドを組んで、ゆるやかにつながって、みんなで遊んでました。

――お互いの第一印象、覚えてますか?

美和子:ちょっとカッコいいな、って思ってました。彼が出ているバンドにお客さんとして観にいったこともあります。共通の女友達から、彼がどういう人なのかも、なんとなく聞いてました。

修央:僕は声がきれいな人だな、って最初に感じました。みんなで飲みにいくようになってからは、話していて楽しくて、性格もいい素敵な人だなぁと。

――お付き合いを始めたきっかけは何だったんですか?

修央:なんとなく、ふたりで食事してみたいな、って思って僕から誘ったんです。

美和子:仲間と数人でごはんに行く、というのはあったけど、ふたりで行ったことはそれまでなかったよね。初デートは五反田のイタリアンでした。

修央:仲間がひとり入院して、ふたりでお見舞いに行くことがあって。その予定がふたりで会うようになるきっかけになりましたね。

美和子:ちょうど私が40歳になったばかりの頃、自然と付き合うようになっていました。「付き合いましょう」みたいな言葉もなかったです。40代の大人ならでは、かもしれませんね。

――付き合ってどれくらいで結婚しよう、となったのでしょうか?

美和子:2週間くらい?

修央:そんなに短いっけ(笑)? そこまでじゃなくても、交際〜結婚までの期間はあまり長くないです。出会って10年くらい経っていたので、お互いのことをわかってますしね。

美和子:付き合いたての頃から、自分が自然体でいられる感覚がありました。付き合ってわりと早い時期に、「そういえば、結婚とかどうするの?」と問い詰め、結婚しようという運びに持っていきました(笑)。

――奥さま強し、です(笑)。

修央:もちろん話し合いましたけどね(笑)。覚悟の上で結婚を決めました。


■結婚を決める前、こだわりや思い込みが「どうでも良くなった」

――おふたりは40代で結婚されました。20〜30代のもう少し若い頃、結婚を意識したことはありましたか?

修央:私はほとんどなかったです。基本的にはひとりでいるのが好きなので。お付き合いしている方がいるときでも、そんなに結婚は意識せずに過ごしていました。

美和子:ありましたね。ひとり娘ということもあって、婿をもらわなければ、というプレッシャーをなんとなく感じていたんです。20代と30代後半で1回ずつお見合いもしました。家のために結婚しなきゃ……と思うと、その反動から結婚したくないし、自由でいたいなと思い、好き放題してきました(笑)。

修央:そういう状況だと、結婚という制度に反発をおぼえる気持ちはわかるかも。

美和子:それでも30代前半は結婚に焦ったこともあります。でも、内心では結婚したくない。今の時代に子どもを産んでも、子どもが可哀想だ、という社会に対するパンク魂みたいなものもありましたよ(笑)。

――そんな時期を経て、40代で結婚に踏み切ったのはなぜだったのでしょう?

修央:長年、ひとりで生きることを大事にしてきました。でも、彼女と出会って、ひとりでいたい、というこだわりがどうでも良くなったんです。44年間、ひとりでいることの楽しみを十分に味わってきたな、と。だからそろそろ結婚してもいいな、と思ったんです。

美和子:彼とお付き合いするようになって、「婿をとらないと」とか「家のために結婚しないと」というのが、自分の思い込みだったとあるとき気づいたんです。そのとき、自分のために結婚すればいいんだ、と考えが変わりました。だから、自分が自然でいられて安らげる彼と結婚したいな、と。

――法律婚以外の選択肢はありましたか?

修央:なかったです。今のところ、事実婚はデメリットのほうが多いと思うので。それに法律婚の形をとるほうが、親をはじめ、自分の周りのみんなが喜んでくれるので。関係者みんながWin-Winなんですよね。

――ビジネスっぽい視点ですね(笑)。

美和子:働いていて自立している40代独身男性には、こういう考えを持つ方が多いかもしれません(笑)。

■40代で結婚して、世界が広がった。人生も大きく変わった

――修央さんが48歳、美和子さんが44歳のとき、真那花ちゃんが生まれます。美和子さんは30代のとき、「今子どもを産んでも、子どもが可哀想だ」という思いを持たれていましたが、結婚後に気持ちが変わる出来事があったのでしょうか?

美和子:彼とふたりで過ごすようになって、いつかは子どもを産むかな、と漠然と思っていました。42歳くらいになって、今まで気にしていなかった妊活の話が入ってくるようになって、真剣に考え始めましたね。

――35歳以上での妊娠・出産は高齢出産とされています。年齢について意識することはありましたか?

美和子:妊娠について考え始めたときに40代前半だったこともあり、子どもができなくても仕方がないかなとか、子どもがいてもいなくても、ふたりで生きていくのもいいかな、とは思っていました。ただ、人並みには焦るようになりましたね。

――夫婦ふたりから家族3人になって、暮らしはどう変わりましたか?

修央:一言で言うと、自由が一切なくなりました(笑)。出かけたり、バンド活動をしたりする余裕がなくなりました。限られた時間とお金というリソースをすべて、家族に集中するしかない。でも、子育ては今やらないと、一生やるチャンスがないんですよね。後回しにはできないことなんです。バンド活動も飲みに行くのもおしゃれも、体さえ元気だったら60歳になっても、70歳になってもできる。そう考えると、今は子育てに集中すべきなんだなって思います。

美和子:子どもを積極的に望んでなかった人ですが、すごく子煩悩でイクメンなんですよ(笑)。40代まで独身だった男性って、ひとりで生きていく力が備わってますよね。仕事で培ってきた物事を考える力、整理する力は確実に家庭でも活きます。子育てについても理論的に考えるスキルがあります。優先順位の付け方も上手いです。今、家族にとって大事なものは何か、何をすべきなのかが、きちんとわかって、やってくれる。

修央:仕事と同じですよ。すべてを100%やりきるのは無理だから、優先順位をつけて今大事なことを、いかにうまく進めていくか。

美和子:あまりモテ男じゃなくても(笑)、仕事ができる男の人は狙い目だと思いますよ。

――最後に、40代で結婚して良かったことを教えていただけますか。

修央:人生を大きく変えるチャレンジができたのは良かったです。経済合理性を考えれば、ひとりで生きていくほうがトクだと思います。でも、結婚したからこそ見える新しい世界があります。さらに、子どもができたらもっと別の世界がある。ひとりだったら、ひとつの世界にしか触れられませんが、夫婦になって、さらに子どもを持ったことで、見る世界が2つ、3つと増えた感じです。それに、日々成長していく子どもと向き合っていると、気持ちにハリが出ます。

美和子:結婚して彼のご両親や親戚など、関わる人たちが増えたことで、友達がたくさんできたような気がしています。40代まで独身で過ごしていると、若いときに結婚した友人知人から「結婚は人生の墓場だよ」なんて脅されてきたと思いますが(笑)、安心してください。40代になると20代、30代のときと比べて人として成長していますし、いろいろな経験を重ねてきたぶん、人間関係をうまく構築できるようになっています。チャンスがあるなら、そして結婚したい気持ちがあるなら、一度は結婚をしてみるのをおすすめします。

――おふたりのお話を聞いていると、40代の大人婚っていいなと思えます。今日はいろいろなお話を聞かせてくださり、ありがとうございました!